大牟田市東部環境センター(屎尿処理施設)


平成22年2月25日
「クリーンセンターかのや」EM使用による処理状況報告

〒893-0031鹿児島県鹿屋市川東町6982番地 鹿屋市衛生処理場内
視察日 平成22年2月19日(金)
  • 概要
    当施設は、平成11年3月に竣工し、処理能力126kl/日、処理方式は標準脱窒素処理方式+高度処理方式を採用した。 初年度は標準経費を確認する為、EMは翌年の平成12年度から使用し続けている。 ☆畜産堆肥が余剰している為、汚泥は焼却処分を行っています。(もったいないですね。)
  • 処理量の経年変化
    近年、合併浄化槽の普及により、持ち込まれる汚泥の量が増え処理量が増加した。平成11年度は121.9kℓ/日あったものが平成20年度は139.9kℓ/日となり、約14%増加している。現在年間の処理量は、ほぼ横ばい状態となっている。(希釈水は一切使用していない)
  • EMの使用状況
    タンクで拡大二次培養した活性液を利用している。毎週、受入槽に300ℓ、汚泥貯留槽に20ℓ、脱窒素槽に60ℓ、合計380ℓのEM活性液を投入している。年間で約20トンになる。
  • 直接経費(薬品+電気代+重油)の経年変化
    運転を開始した平成11年度の直接経費は、1kℓ当りの処理単価は、1,411円であったものが、平成20年度は871円となり、当初より540円少なくなっている。平成21年度は、更なる汚泥の削減、CO2の削減に取り組み、前年度より少なくなると見込んでいる。
  • 臭気濃度の経年変化
    脱臭塔出口で臭気を採取し、臭気濃度の分析を行ってきた。発生源対策としてEMを毎週投入してきた。脱臭設備の活性炭交換は、平成12年2月と平成17年3月に行った。平成17年度の交換以降の数値はほぼ横ばい状態であり、活性炭の目詰まりの指標となる圧力噴出はわずかに増えたのみである。 通常は、活性炭の劣化により年々臭気濃度や圧力噴出は増加の傾向を示すので、多くの施設では毎年活性炭を交換する。しかし当施設では5年も交換していないのにもかかわらず、数値は安定している。
  • 放流水質の経年変化
    BODは、年度毎平均値で見ると、平成19年度2.8mg/ℓ、平成20年度2.2mg/ℓ、平成21年度は1.6mg/ℓとなっている。全窒素は、年度毎平均値で、平成19年度9.5mg/ℓ、平成20年度7.7mg/ℓ、平成21年度は5.5mg/ℓとなっている。いずれも年々減少傾向にある。
    ☆次亜塩素酸ナトリウムは一切使用していない。
  • まとめ
    合併浄化槽の普及により処理量は増えているにもかかわらず、EMを使うことで臭気は安定し、放流水質は向上し、しかも大幅なコストダウンを実現している。
  • 今後の展開
    EM活用に携わった中心人物の小野田様が3月を持って定年退職をされますが、今後も後輩とともに施設運営にEM助言者として係わり更なる向上に努められるそうです。 (U−ネットへお誘いしたいですね) EMの活用を継続し、処理能力の向上と経費削減に努め、長年に渡り大いなる実績を上げているこの施設を手本にして、同様の施設へこのEM技術情報を提供し、多くの施設へEM技術の普及を行っていきたいと考えています。今後とも皆様のご指導をお願いいたします。

※この資料は、クリーンセンターかのやの小野田様から提供いただいた詳細なデータを基にしたものです。
詳しい資料がご入用な場合はご連絡ください。

NPO 地球環境・共生ネットワーク
九州西部地区運営委員  角田善男
TEL:0957-21-5155 FAX:0957-24-5511

近々にすること
・資料として載せているのは、鹿児島県鹿屋市の環境センターの分です。
・汚泥1トンの処理費用が、鹿屋市は780円、大牟田市は2935円です。
・2012年9月5日(水)
  EMについての説明を部長さん課長さん主査さんに説明
  硫化水素の生物処理槽を見せていただきました。
  1トンの処理タンクが2個設置されていました。